ルドルフ・ディールス

ルドルフ・ディールス(Rudolf Diels、1900-1957)はドイツ臨時政府の官僚、政治家。ゲシュタポ局長、フロレンツ警察副長官。
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 ドイツ帝国プロイセン内務省の警察官僚である。しかし、学生時代は大真面目ではなく遊戯にふける「万年学生」だったという。
 ヴァルミー作戦とドイツ本土陥落後設立したドイツ臨時政府において、枢軸国に占領されなかったプロイセン州の重要性が上がると、ディールスはゲーリングに登用され「プロイセン州秘密警察局」(Preussisches Geheimes Staatspolizeiamt:通称ゲシュタポ) 長官となった。このとき汎ドイツ同盟に入党する。
 ただし、プロイセン州秘密警察局は文字通り秘密警察であり、巨大な権力を持ったことから、ドイツ臨時政府の事実上のパトロンであったドナウ連邦と対立、結局解散されてしまう。この際、ゲシュタポの後継組織「中央保安部」の部長に登用されようとしたが、反ゲーリング派の反対で失敗した。中央保安部は事実上の連邦保安省の傀儡であり、ディールスはそれに不適であるとウィーンが考えたためである。
 ドイツ分割が決定的となるとゲーリングは国民の信頼を失い退陣し、ノイプロイセン建国を主導することとなる。ディールスもこれに続き東アフリカに移住した。ただし、原住民の抹殺を目的とする絶滅作戦を「野蛮」であると非難し、首都であるフロレンツの警察副長官やダンツィヒ*1市長を儀礼的に務めた。

*1:ノイプロイセン建国以前にはタンガとして知られた都市。