『ドナウ連邦建国史』執筆日記 第1回

お題箱に来た質問の回答を中心に書いていきます。
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・結局『ドナウ連邦建国史』はどうなるの?
 不明。ひとまず、戦間期からWW2終結までのドナウ、フランス、ドイツ、ウクライナアメリカ(できればロシアと日本も)はしっかり設定したい。つまり史実から使えそうな人物を収集し、役割を与え、歴史的出来事を設定すること。
 逆に言えばそれ以外の国は大雑把な説明と結末しか書かない予定。
 特にドナウ連邦に関しては現在2000人ほど人物データを収集しあるので、それぞれに役割(例:ドナウ農民同盟ケルンテン州指導者、ズデーチアにおける連邦保安・警察司令官、など)を与えてどこかで公開したい。
・パラドゲーのmodにする予定はありますか?
 残念ながらない。
 以前Victoria2で建国史の冷戦時代再現を試みたが、失敗した。
 もし誰かmod化したいのであれば、ご自由にどうぞ。忠実に建国史を再現しなくても文句は言いません。
 個人的にはWW2より冷戦時代のほうがmod化したら楽しいと思う。

・冷戦時代編について
 ドナウ、フランス、ソ連(旧ウクライナ)、日本、カナダ(旧イギリス)、ドイツ亡命政府(北アメリカを占領したドイツ軍の生き残り)各陣営による六つ巴の戦いになる。
 どの陣営もWW2を直接経験しているので、いずれも最初は全体主義的な様子である。つまり、消費財が貧しく軍隊が最優先で、服従と自己犠牲が尊ばれている。
 もし建国史の冷戦が史実のように「経済が優れ豊かな陣営が貧しい陣営を倒す」という結末であれば、全体主義から素早く抜け出せた陣営が最終的に勝利することになる。全体主義国家の経済的な生産性は常に低いからである。
 ただし、アメリカが常に圧倒していた史実の冷戦とは違い、建国史冷戦時代はどの国も戦争で大きな傷を負っており、マーシャルプランのような強力な信用さえない。なので史実と展開はかなり違ってくると思う。
 建国史冷戦時代は代理戦争の時代である。急激に近代化したアジア、中東、アフリカは不安定化し、各陣営がつけ込み内戦を煽るというもの。内戦が好きなら建国史冷戦時代も好きになる。

・ローゼッカ亡き後のドナウ連邦はどうなったのでしょうか。
 WW2の日本帝国を想像してみよう。国家指導者(天皇)に与えられた巨大な権力、しかし行使はせず部下に丸投げ。その結果部下がやりたい放題になってしまう。
 ローゼッカ死去後に権力を握ったのはグロス・エンドレ大統領府官房長で、ナチスでいえばラマースやボルマン的ポジションの人。大統領を継承したことで巨大な権力を得るが、それを自由に行使できるほどのカリスマがなく、結局それを分配せざる得なくなってしまう。
 かくして、外務省、国民衛兵隊、連邦保安省、連邦軍、公共生活省、経済計画局などの有力機関が自分勝手に行動し、お互いを妨害しあうということになる。日本でも同様に陸海軍の対立があった。
 ひとまずグロスを妥協点にした各機関の支配権拡大抗争が続くが、そうした不安定な体制は長くは続かない。国民衛兵隊や連邦保安省、連邦軍などの武力機関(ロシアで言う「シロビキ」)が勝利するだろう。

・建国史のスペインはどうなってるのですか?
 1936年に王制が崩壊し革命勃発。王党派・ファシスト・サンディカリストの戦いが繰り広げられたが、ドナウが対仏関係改善でファシスト支援を打ち切り、やがて隣国フランスが支援するサンディカリストの勝利で終わる。
 戦後はフランス陣営入り。

ルーマニアはどうなりますか
 ルーマニアの処遇についてはかなり悩んだ。地図的には、ドナウがルーマニアを丸々併合し、トランシルヴァニアだけでなくオルテニアのルーマニア人も全員追放したほうが、なんだか映える気がした。
 バルカン半島は半島であるので、ナチスの「東部総合計画」のようなロシアの無限の大地にいらない民族を投げ捨てることはできない。その代わりにアフリカ植民があるのだが、冷戦時代は常にサンディカリスト陣営の脅威にさらされることとなるアフリカは、棄民よりもむしろ潤沢な予算をもって植民する地域なのであり、ルーマニア人をアフリカに追放することはできない。
 ということで、結局トランシルヴァニアを割譲させて残りは保護国化することとなった。1918年のブカレスト条約と基本的に同じ。
 そもそも、ルーマニアは全土占領するメリットがあまりない……。
 1930年代の年表は大体こんな感じ:
  トランシルヴァニアをめぐってドナウと対立
  1937年、北トランシルヴァニアがドナウに割譲
  →この混乱に乗じ、国王カロル二世が国王独裁を試み始め、鉄衛団も権力を伺う
  1938年、カロル二世が勝利し鉄衛団を弾圧、国王独裁の始まり
  1940年、南トランシルヴァニアも割譲されカロル二世の権威が地に落ちる
  →これによりカロル二世は退位。ルーマニア保護国化する。

つづく?

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