ドナウ連邦大使館

民族、言語、国境。

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 ドナウの名を冠した大帝国は、かつてない動乱期にあった。王朝は自己保身に終始し、国民は各民族に分断され、最終的には革命と飢餓と内戦がおこった。かつての世界的な大帝国は今や最期の時を迎えようとしている、とその当時は誰もがそう思っていた。しかし、その30年後には、再び世界をまたにかける大国へとのし上がったのである。

 ドナウ連邦は動乱と繁栄を駆け抜けた、20世紀の典型的なイデオロギー国家であった。マルクスを信奉し、マルクスの権威に国民団結を委ねたのだ。この時代の後世の評価は分かれている。20世紀中頃の歴史学者クリューゲルは「中欧の諸人民にとって最も幸せだった時代」とする一方、20世紀末の歴史学者プラシルは「最悪の時代だった」としている。いずれにせよ、国家の権威を目に見えないイデオロギーに置き換えたことは画期的であり、冒険的な試みであった。

 WW1という世界戦争に勝利したのはドイツ率いる中央同盟国であった。しかし、その一方で戦争による生活疲弊は革命を呼び、革命は君主制への失望を呼んだ。ドイツの皇帝、ヴィルヘルム二世は講和条約の調印式の際「これは単なる戦争ではない。我が国の君主制が民主主義より優れている、と証明した戦争である」と発言した。しかし、WW1の衝撃によりロシアとオーストリアという大国の人民は自らの君主制を廃し、共和国を宣言した。事実、ドイツはWW1以降、深刻な政治的混乱を突き進むことになった。

 ロシアとオーストリア、そしてフランスは革命を経て独自のイデオロギーを採用していくことになった。それぞれ、共産主義、ドナヴィズム、労組主義である。この三国の栄華と衰退は20世紀という新しい時代を象徴しているといえよう。



 さて、本ブログではイデオロギー国家ドナウ連邦についての架空の歴史を書いていきます。どのような形式、どれほどのペースで書くかはまだ詳しく決めていませんが、大まかな年表の記事と分野ごとの詳細な記事という二形式をもって書いていこうかと思っています。

目次

  1. 革命の時代(1917-1918年)
  2. 飢餓と内乱(1919-1920年
  3. 皇帝なき帝国(1921-1924年
  4. ローゼッカの時代(1925-1928年)
  5. 沈む太陽(1929-1932年)
  6. 世界の動揺(1933-年)


  • アメリカ内戦史
  • 地中海帝国の行方

「ドナウ連邦」とは?

「ドナウ連邦」の大まかな説明です。

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